摂食障害は、心の病気?

摂食障害

摂食障害は、心の病気?摂食障害の人との付き合い方とは?

摂食障害は身体に異常があらわれますが、心の問題が身体に影響を与えているのは

間違いありません。

本人も周りの人も表面の変化ばかりが目について、精神的な面には気づきにくいのが

特徴です。

どんな人が摂食障害になりやすいのでしょうか?

摂食障害と『うつ』との関係

摂食障害を持つ人は、同時に『うつ』にも苦しんでいる人が多くみられます。

『うつ』とは抑うつ気分・不安・焦り・食欲低下・不眠などの症状が出る

精神疾患の一つです。

最近は『うつ』と摂食障害の関係についても、研究され、

『うつ』もその原因の一つではないかと言われています。

摂食障害の治療法には、抗うつ薬が効果的なので、このことから摂食障害と

『うつ』の間には深い関係がある様です。

そして、ネット上においても摂食障害だから『うつ』を発症するのか、

それとも『うつ』が摂食障害を引き起こすのか疑問に思っている人も多いようです。

どっちが先かというのは断言できませんが、摂食障害の身体的な症状も原因を

たどると、その多くは精神的なものなのです。

そう考えると摂食障害の原因の一つとして『うつ』がもとになっているように

思います。摂食障害が進むと家にこもってしまうため、ますます精神状態も

悪くなっていって、結局は悪循環になってしまいます。

摂食障害の治療のため、外で運動したくても、『うつ』で気分が落ち込んでいる時は

外出できないこともあります。

同時に治療するか一つずつ治療するかは、病院側の判断にまかせるしかありません。

摂食障害になりやすい人は、どんな人?

摂食障害は何万人に1人とか、そんな割合でなるような特別な病気ではありません。

誰にでもかかる可能性のある病気であると言われています。

では、どうして摂食障害になる人と、ならない人がいるのでしょうか?

ここで摂食障害になりやすいタイプをいくつか紹介します。

但し、ここに挙げているタイプの人が必ずなるわけではありません。

【職業によって】

スポーツ選手とかモデルさんみたいに太ってはいけない職業てありますよね。

勿論、芸能界でのアイドルや女優さんも同様ですが、

良い体系を維持するのは大変だと思います。

この様な職業の人に摂食障害になる人が多い様です。

 

【若い人】

摂食障害の人のうち8割以上が20歳までに拒食症になるというデータがあります。

中でも13歳とか17歳の年齢でなることが多く

20歳すぎてからなる人もいて、何年も摂食障害に悩む人が大勢います。

 

【完璧主義の人】

摂食障害の人は何でも完璧にやらないと気がすまない完璧主義者が多いといいます。

ちょっとでも間違ったりすると、ものすごく自分を責める性格の持ち主です。

 

【自分に自身がない人】

自分に自信がない人も摂食障害になりやすいといわれています。

そういう人は、自分が人からどう見られているのかをとても気にします。

無理してでもダイエットしてキレイになれば自信がつく、

なんて間違った考えは捨てましょう。

摂食障害の様々な治療方法とは?

摂食障害の治療法(カウンセリング)

摂食障害の人は、辛くても自分からは病院に行かないことが多いです。

まわりが説得し、一緒に行くようにするといいでしょう。

病院には怖くて行けないという人もいると思いますが、

カウンセリングなどの治療方法を見ていきましょう。

摂食障害だけではなく、どんな病気でも本人や家族だけで悩んでないで

他の助けを求めることも大切なことです。

摂食障害は主に、心療内科や精神科に行くことをおすすめします。

病院によっては、思春期外来や児童精神科があるところもあります。

また、個人の精神科クリニックなんかにも相談できます。

10代前半の場合は、小児科でもOKです。

これらの病院では、まずカウンセリングすることから治療を始めます。

ですが、いきなり病院へは行きにくいという人もいると思います。

そんな時は、民間のカウンセリング施設に相談してみるという方法もあります。

なかには医療機関と提携しているところもあるので、そういった施設を

選ぶと安心かもしれませんね。

摂食障害のカウンセリングは、臨床心理士などの資格を持った人が行います。

悩みを聞いて一緒に解決の糸口を見つけるのがカウンセリングの目的です。

お医者さんによっては、はじめは、親だけが来るように言うこともありますが、

2回目以降も必ず付き添いましょう。

効果的なカウンセリングには『親子一緒』が重要なポイントです。

摂食障害の治療法(薬治療)

病院での摂食障害の治療はカウンセリングのほか、薬が処方されることもあります。

この薬はどれも摂食障害そのものに直接効くわけではありません。

摂食障害が引き起こすいろんな症状を和らげるための薬なのです。

もちろん薬を使わないで症状が改善していく人もたくさんいます。

病院で薬が必要といわれたら、きちんと服用しましょう。

摂食障害に処方される薬について紹介します。

【抗うつ薬】

ゆううつな気分や食べ物へのこだわりを和らげます。

この薬は効果があらわれるまで2~3週間かかります。

また副作用としては口の渇き・便秘・眠気・吐き気・胃腸の

ムカつきなどがありますが、他の薬より副作用は軽いでしょう。

 

【抗不安薬】

『人と会うと緊張する』『イライラして落ち着かない』

『冷や汗が出る』などの不安にともなう症状を和らげます。

また筋の緊張をほぐして、リラックスさせてくれます。

比較的早く効果があらわれるのが特徴です。

 

【抗精神病薬】

衝動的な気持ちや敏感さなどの摂食障害からくる感情の波を和らげます。

そして、ときには吐き気を抑えるのに役立つこともあります。

眠気・だるさ・無気力・手の震え・舌のもつれ・筋肉のこわばりなどの

副作用ができことがあります。

また、これらの副作用を止めるために別の薬が処方されたりもします。

 

【睡眠薬】

摂食障害の人の中には『寝つきが悪い』『夜中に何度も目が覚める』と

いった睡眠に問題を抱えている人も少なくありません。

その症状にも、いろんなパターンがあるので、しっかりとどんなふうに

眠れないのかを伝えて自分に合った睡眠薬を処方してもらうようにしましょう。

摂食障害専門施設での治療

日本では、摂食障害の人が増えてきています。

ですが、相談にのったり、治療のできる専門施設や専門医、専門スタッフが

足りないというのが現状です。

残念なことに病院によっては、時間と手間のかかる摂食障害の治療を敬遠するところも

あるようです。

勿論、数は少ないながらも摂食障害の患者さんを受け入れてくれる専門施設はあります。

どこに行けばいいのか分からないときは、保健所などの公共機関に行って、

そこから紹介してもらうこともできます。

特にあまりにもひどく痩せている時や、自傷行為のある時、家族がサポートしきれず

自宅療養が難しい時などは、入院の必要があることもあります。

健康な人でも家にいると不規則な生活になりがちです。

入院することで一回の食事の量を知って、過食をなくし生活のリズムを

つかめるようになるでしょう。

さらに同じ病気で悩んでいる同世代の人たちとの交流が、心にもいい影響を

与えるのではないでしょうか。

それが専門施設(病院)での入院治療のいいところでもあります。

摂食障害の原因

摂食障害の原因は、色々なことが考えられます。

拒食症と過食症はそれぞれ『神経性無食欲症』『神経性大食症』とも呼ばれています。

このことからも分かるように、摂食障害は心の病気だと言えるでしょう。

下記に挙げている原因のほとんどは、精神的なものからきています。

 

《 ダイエット 》

摂食障害の一番の大きな原因といえるのは、ダイエットではないでしょうか。

特に女性なら誰でもモデルさんや女優さんのようにスリムな身体にあこがれます。

摂食障害をもつ人の約95%が女性というのも、これで納得できます。

特に10代の頃は、痩せてキレイになりたいという思いが、

いっそう強くなる時期でもあるので、かなり無理なダイエットをして、

身体を壊してしまうことも少なくありません。

今はそんなに太っていない人でも、自分の思い込みでダイエットしなきゃ!と

言っている人も多いです。

そういう人は自分に自身がない人で、毎日いろんなことに自信を持って

生活している人なんて、そう多くはないでしょう。

運動などをして痩せるダイエットではなく、モノを食べないで痩せるダイエットは

摂食障害につながることもあるので注意が必要です。

 

《 ストレス 》

摂食障害は心の病気といわれています。

学校や職場でみんな様々なストレスを感じているのではないでしょうか。

最近は、小さな子供でもストレスに悩まされていることが多いようです。

学校でも家でも、親や先生に勉強のことばかりいわれてそれがストレスになったり、

社会人になっても職場の人間関係などが大きなストレスとなっている

場合があります。

このようなストレスが摂食障害の原因になると考えられています。

 

《 成長することへの不安 》

10代の女の子は、特に自分の身体的な成長に不安を抱いている人もいます。

これはダイエットに通じるところがあります。

摂食障害(なかでも拒食症)の人に話を聞くと、体重が増えることがとても

怖いといいます。

身体的にも普通に成長しているのに、一度ダイエットに成功すると

次からはもっと体重を減らそうと頑張るようになります。

それがキッカケで次第に体重計の針が、ふれること自体が怖くなってしまうんです。

その恐怖心から本当に食べることをやめてしまいます。

成長することが怖いなんて、まわりからみたら変なことかもしれませんが、

本人にとっては重要な問題です。

思春期の成長したくない、大人になりたくないという強い思いが、

摂食障害の引き金となるケースがよく見られます。

若い人たちの間には『成長する=太る」』いう間違った考え方が

広まっているのかもしれませんね。

 

《 愛情不安 》

家庭環境や家族関係も摂食障害の原因として挙げることができます。

一人暮らしをしていても、実家で暮らしていても、家族とのかかわりは

切っても切れないものです。

そこに大きな問題があることも少なくありません。

摂食障害には特に母親との関係も大きくかかわっています。

では、どんなことが直接の原因になっているのでしょう?

よく言われているのは母親からの愛情不足ということです。

このような家庭環境、親子関係は、今始まったことではありません。

これは、おそらく小さい頃から積み重ねられてきたものでしょう。

母親だけでなく、父親にも同じことがいえます。

亭主関白・父親の育児への不参加・父親と母親の会話がないなど。

あとは、親が子供に多くのことを望んで、期待をかけすぎると子供には

大変なプレッシャーになることがあります。

こういう家庭で育った子供がみんな摂食障害を発症するわけではないので、

そこは誤解しないでくださいね。

 

 

 

 

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